Geminiを使いこなせてますか?
2025年に入り、「チャットAI」と言えばOpenAIのChatGPTに負けず人気なのがGoogle Gemini(旧Bard)です。
文章の整理、アイデア出し、レポーティング…日常に欠かせなくなったという人も少なくありません。
ですが「デフォルト設定」で満足してはいないですか?
実はGeminiは、自分専用にカスタムして最強の仕事パートナーにする方法があるんです。
その鍵になるのが、「Gem(ジェム)」というカスタム機能。
Gemを活用すれば、自分専用に最適化されたAIに生まれ変わります。
この記事では、「そもそもGeminiとは?」という整理から、「Gemの活用方法」と「具体的にカスタムして最強にするポイント」まで徹底解説していきます。

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Google Geminiとは?あらためておさらい
まずは、「そもそもGeminiとは何?」というポイントから整理しておきましょう。
Gemini=GoogleのチャットAI
GeminiはGoogleが開発した対話型チャットAIです。
元々Bardという名前でしたが、2024年にGeminiに改名しました。
ChatGPTと同様に、「チャット」で対話しながら、文書整理、アイデア出し、プログラムのコード補助、レポーティング等に活用できます。
Geminiの強み
- 高速レスポンス
- 文書整理に強く、レポーティングに最適
- 画像認識との融合も視野に(画像を元に解読したり整理したり)
ChatGPTとの比較ポイント
ChatGPTもカスタム機能(カスタムインストラクションやカスタムGPT)を搭載していますが、Geminiのカスタムポイント=「Gem」というユニーク機能に整理されたことで、「カスタム方法の視覚化」と「共有・管理」と「再利用性」で大きく差別化しています。
Geminiのカスタム機能「Gem」とは
Gemとは?
Gemとは、自分専用にカスタムされたチャットAIユニットです。
従来チャットAIに対して、「カスタム」と言えばプロンプトに指定して対応してもらうという方法に近かったです。
ですが、Gemを使うと「カスタムされたAIチャットルーム」になると考えて下さい。
Gemのポイント
- 一度設定して保存しておけば後から何度も使いまわし可能
- 業務に必要な文言、スタイル、口調もあらかじめ指定しておくことでチャットに入った時から最適に答えてくれる
- メンバー間に共有も容易なので、複数人に同一のカスタムAIを展開するという運用も視野に入ります(この記事では共有は省きます)
Gemの活用例(一例)
- 社内レポーティング用Gem:「週報レポーティングに整理して」と言えば整理ポイントに従ってまとめてくれる
- メルマガライティング用Gem:「読者に響く文案に直して」と依頼すれば指定した文体に従って整理してくれる
- 業務ナレッジ整理用Gem:「社内用FAQに徹して」と指定しておくことでナレッジに基づく回答に徹してくれる
【Gem初心者向け】まずはプリメイドGemを使ってみる
完全にカスタムする前に、まずは用意されたプリメイドGem(公式提供のテンプレート)を試してみましょう。
プリメイドGemとは
プリメイドGemはGoogleが事前に用意してくれたGemで、以下のようなものがあります。

プリ(事前に)+ メイド(作られた)ってことですね
- アイデア出しのプロ
イベントのアイデア、プレゼント案、キャッチコピーのネタ出しに活用。創造性が求められて悩んだ時に助かります。 - キャリア アドバイザー
キャリアプランの整理やスキルアップ方法のアドバイズに最適。転職、昇格、キャリアに迷った時に活用できます。 - コーディング パートナー
プログラミングに関する問題解決や学習を徹底サポート。コードのデバッグ、ポイント解説、新言語の学習に活用できます。 - 学習コーチ
難しく感じる話題も分かりやすく整理してくれる先生役。新しく何かを学びたい場合や、資格試験対策やレポート整理に役立ちます。 - 編集者・校正役
文章の文法チェックやスタイル整理、読みにくいポイントの改善もしてくれる。レポート、メール、プレゼン文案の品質を底上げしてくれます。
これらのプリメイドGemを活用すれば、自分専用にカスタムする前に、「まず試してみたい」ときに非常に便利です。また、業務に直結するユースケースに整理された状態なので、チャットに慣れてなくてもすぐに活用できます。
使い方
Geminiにアクセスして、メニューから「Gemを表示」を選択し、一覧にあるプリメイドGem(Googleが作成したGem)から、自分に近いユースケースを選択します。

例えばここで「キャリアアドバイザー」を選択し、以下のような質問をしてみます。
上司の決裁を得やすい報告の仕方を教えて
すると以下のように、「キャリアアドバイザー」に特化された一次回答が返ってきます。
目標達成のためのプランを提示し、以降はプランを一緒に進めていってくれるような役割のようですね。

一方で、今度は「学習コーチ」を選択し、同様の質問をしてみます。
すると、今後は以下のように「学習コーチ」としての一次回答がきます。キャリアアドバイザーとは回答内容や進行の仕方が違うことが確認できます。
これはスキルを習得するための学習プランを提示し、以降は一緒にプランに沿って進めていってくれるような役割のようです。

それぞれの役割に特化された設定がされていることを確認できました。うまく使うと業務を飛躍的に効率化させる便利ツールになりそうです。
ちなみに、一度呼び出したプリメイドGemは、左メニューに表示されるようになると同時に、左メニューのチャット履歴にも表示されるようになります。

プリメイドGemのポイント
- 初心者に最適
- 細かくカスタムしなくてもよく整理されたレスポンス
- 業務に直結するユースケースに絞って提供
【脱初心者向け】自分専用のGemを作成してみる
プリメイドに慣れてきたら、自分専用にカスタムしたGemを作ってみましょう。
自分専用Gemの作成手順
まず、「Gem」メニューに移動し、「Gemを作成」というボタンをクリックします。

以下の画面でカスタムポイントを設定していきます。

- 名前:
「このGemに付けるタイトル」と思って下さい。例えば、「レポーティング用」「メール文案用」と等と付けておけば、後から探しやすかったり、すぐに用途が分かったりします。もっと内容を特定できるように細かい情報を盛り込んでもいいでしょう。整理して管理しやすくするためのラベルと捉えてください。 - カスタム指示:
「チャットに対してどう答えてほしいかというルール」と考えて下さい。たとえば、簡単な例でいうと「丁寧に答えて」と指定したり、「箇条書きで整理して」と指定しておくと、チャット時に最初からそのルールに従って答えてくれます。 - 知識:
「外部にあるデータと接続してチャットに活用する機能」です。具体的には、自分のGoogleドライブ や Googleドキュメント のように整理された情報元にアクセスして、チャット時にそのデータも参考にしてくれるようになります。

簡単にまとめると、毎回同じ情報をチャットに貼り付けなくてもよくなるための情報をここで指示すると覚えて下さい。
動作確認用サンプル
今回は、動作確認サンプルとして、以下のように最低限のカスタム指示を設定してみます。
- 箇条書きでポイントをまとめて
- 関西弁でフレンドリーに回答して
右側プレビュー画面では、実際にチャットをしてみて、左側の設定画面によって実際にどうような回答が得られるかを確認できます。納得のいくまで左右の画面を行き来しながらチューニングしましょう。
動作確認がOKだったら、最後に「保存」ボタンでGemを保存しましょう。

保存したものは一覧画面に表示され、いつでも呼び出せるようになります。

実践サンプル(副業ブロガー向け)
以下のような設定をすることで、毎回特別な指示をすることなく「〇〇をテーマとしてブログを作成して」の一言で、自分好みの記事を作成できます。
- 3000文字程度で
- 口語体で
- 構成は「〇〇とは」「〇〇の特徴」「 口コミ」「 メリットは」「デメリットは」「 まとめ」

「知識」の設定で特定の情報を参照して回答させる
超便利機能:Gemの「知識」とは
Gem の「知識」とは、「チャットに答えてほしい元データ」を指定しておく機能です。
たとえば、自分の仕事に関するレポート、社内ルール、顧客情報、商品カタログというように、「このフォルダにある情報も参考にして」と指定しておくことで、チャット時に関連データにアクセスして答えてくれます。

具体例(営業レポートを参照して回答してもらう場合)
- Googleドライブに営業レポート(例:『2025年営業レポート』(スプレッドシートまたはドキュメント))を整理しておく。
- Gemini の「Gem」画面に移動し、「知識」でそのレポートのフォルダを指定する。
- その後チャット欄に、「このレポートに従って、営業成績のポイントを整理して」と依頼する。
- すると Gemini のチャットは指定されたレポートを参照して、「○○営業所の達成率は○%です」と整理してくれます。
まとめ
この記事では、Google Gemini のカスタム機能『Gem』 の魅力と活用方法を徹底解説しました。
従来のチャットAIは、「その時に貼り付けた情報に従って答えてくれる」といった一時的なカスタムにとどまっていました。ですがカスタムGemを活用することで、「チャットに対して最初からルール(カスタム指示) やナレッジ(指定文書) を持たせた状態」で対話することが可能になります。
ビジネスマン、クリエイター、教師、プログラマ等多くの人にとって、ますます欠かせないツールに成長したといえるのではないでしょうか。

いきなりオリジナルのGemを作るのはハードルが高いと感じる方は、まずはGoogleが用意してくれている「プリメイド Gem」から始めてみてはいかがでしょうか?
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