2024年後半から2025年にかけて、OpenAIのChatGPTは大きな進化・強化がされています。その中でも特に注目されているのが、「カスタム指示(Custom Instructions)」と「メモリ機能(Memory)」です。これらを活用すれば、ChatGPTを単なる質問応答AIから、自分だけの専属アシスタントへと進化させることが可能になります。
本記事では、ChatGPTを自分に最適化して使いこなすための最新カスタマイズ術を解説します。

ここで紹介しているものは全て無料版で使うことができます
ChatGPTは「育てて使う」時代に突入
従来のChatGPTは、毎回のやりとりが基本的に“ゼロリセット”されるものでした。しかし、カスタム指示とメモリー機能の導入により、「あなたがどんな人で、どんな回答を望むか」をChatGPTが学習・記憶し、継続的に反映することができるようになっています。
つまり今後は、使えば使うほど“あなた好みのAI”になっていくというのが、ChatGPT活用の新常識です。
ChatGPTを一発で自分好みにできる「カスタム指示」とは?
カスタム指示は無料プランでも使える
「カスタム指示」は、ChatGPTに“あなた自身”と“回答スタイルの好み”を明示的に伝える設定項目です。現在は無料プランでも利用できます。

これを設定しておくと毎回自分のバックグラウンドを伝える必要なくなるので、質問がとても簡素化できますよ。
カスタム指示の設定手順
ChatGPTの画面右上のユーザアイコンをクリックし →「ChatGPTをカスタマイズする」を選択します。

設定画面が開きますので、それぞれ必要項目を入力し、最後に「保存する」をクリックします。
- ChatGPT は、あなたをどのようにお呼びすればよいでしょうか?
- お仕事はどのようなことをされていますか?
- ChatGPT にどのような特徴を求めていますか?
- その他、ChatGPT があなたについて知っておくべきことがあれば教えてください。

記入のサンプル1(副業ブロガー向け)
設定項目:ChatGPT にどのような特徴を求めていますか?
- できるだけ実践的なアドバイスを
- 箇条書きや見出しで整理して簡潔に
- カジュアルな口調で
- 構成は「〇〇とは」「〇〇の特徴」「 口コミ」「 メリットは」「デメリットは」「 まとめ」として
- 3000文字程度で
設定項目:その他、ChatGPT があなたについて知っておくべきことがあれば教えてください。
私は副業でブログアフィリエイトを運営しています。SEOやセールスライティングに関心があり、毎週記事を投稿しています。
このように記入しておけば、ChatGPTは以後、あなたに最適化された回答を提供してくれるようになります。

例には挙げていませんが、やってほしくないことを記入しておくのも一つのポイントです。例えば「冗長な文章は避けて」「長い例え話は避けて」などがあります。このような工夫で自分が得たい結果に出来るだけ近づけるようにしましょう。
記入のサンプル2(社内情シス向け)
今度は実際に返ってくる回答も掲載しておきます。試しに「お仕事はどのようなことをされていますか?」という欄に以下のように記入してみました。
設定項目:お仕事はどのようなことをされていますか?
社内情報システム部門
そのうえで、以下のようなたった8文字のアバウトな質問を投げてみます。
ブログ記事の案を
すると、特に細かい指定はしていませんが、以下のようにわたしの背景を汲み取った回答が得られました。


たったこれだけの設定でも回答結果に大きく反映されてくるんですね
継続的にあなたを学習する「メモリ機能」とは?
メモリ機能は継続的にあなたとのやりとりを覚える
「メモリ機能」は、ChatGPTがあなたのやりとり内容を覚え、今後の会話に反映する仕組みです。

これは言い換えると“成長するAI”とも言える機能ですね。
この機能によって以下のようなことができるようになります。
- あなたの名前や職業、活動内容を覚える
- よく使うツールや関心分野を記憶する
- 質問のスタイルや優先事項(例:SEO重視)を学ぶ
メモリ機能の設定方法
ChatGPTの画面右上のユーザアイコンをクリックし →「ChatGPTをカスタマイズする」を選択します。

設定画面が開きますので、「パーソナライズ」→「保存されたメモリを参照する」をオンにします。

これでChatGPTがあなたのやりとりから自然に情報を記憶し始めます。
例えば自分の名前を伝えたら、以下のようにメモリを更新します。(通常のチャットメッセージではなく、「保存されたメモリを更新しました」というシステムメッセージが表示されます。)

記憶された内容はいつでも確認や削除が可能です。この場合、「メモリを管理する」を開きます。

ここにChatGPTが記憶した内容が表示されます。不要な場合はゴミ箱ボタンで削除ができます。

または、チャット上で削除指示もできます。きちんとシステムメッセージが出て、メモリ管理に反映されていることがわかるかと思います。

メモリに強制的に反映させたいときはどうする?
メモリに追加される情報とそうでない情報
基本的な動作として、あなたの名前や関心ごとなどについて発言した場合は自動的に(100%とは言えませんが)メモリに追加されるでしょう。
ですが、例えば「散歩にいきたい」と打った場合に、これは高確率で記憶すべき情報じゃないと判断され、自動的にはメモリに追加されません。

このような情報を強制的に記憶させるには、そのためのコマンドがあります。
強制的にメモリに追加するコマンド to=bio
メモリに自動保存してくれないような情報を強制的に追加するには、チャット画面で以下のコマンドを加えることで実現できます。
to=bio
[記憶してほしい内容]
例えば上記の「散歩にいきたい」は基本的に自動的にメモリに反映されるタイプの発言ではありませんが、このコマンドを添えた場合、以下のようになります。

きちんとメモリ管理画面にも反映されていることが確認できます。


この to=bio コマンドを使った方法は、チャット上で「〇〇を記憶して」と指示を出す方法より確実な方法です。
ちなみに「〇〇の記憶を削除して」に代わるコマンドはありません。
【まとめ】ChatGPTを「あなた仕様」に最適化しよう
これからのChatGPTは、「誰にでも同じAI」ではなく、「一人ひとりに最適化されたAI」として使える時代に入りました。
- 「カスタム指示」でスタート地点を設定
- 「メモリ機能」で使えば使うほど自分に特化したパートナーになる
これらを活用すれば、あなたの思考を補完し、行動を加速させるパートナーとして、ChatGPTは確実に力を発揮してくれるはずです。
まずは今日から、設定を少しずつ試してみましょう。
コメント