Windows InsiderプログラムのDevチャネル向けに、Windows 11 ビルド26220.6682 (KB5065782) が2025年9月12日にリリースされました。
今回のアップデートでは、AI関連機能「Click to Do」の強化、スタートメニューへのプロンプト例導入、Emoji 16.0の部分追加、ナレーターのアクセシビリティ改善などが含まれています。
一方で、既知の不具合もいくつか報告されており、本番環境での利用を考えている方には注意が必要です。
この記事では、初心者の方でも理解しやすいようにこのビルドの新機能と改善点・注意点を分かりやすく解説します。

新しいBuild 26220.6682では Windows 11 の“AI体験”と“使いやすさ”がまた一歩進んでいます。特に ‘Click to Do’ や Narrator の改善は注目です

“Click to Do”って何?AIとか難しそう…Emoji 16.0ってどんな絵文字が増えるのかな?失敗とか不具合がないか心配だな…
Click to Do(AI連携と操作性の改善)
「Click to Do」は選択したテキストや画面上のコンテンツを基に、AI(Copilot)を呼び出してアクションを起こす機能です。今回のアップデートで以下の改善があります。
- Copilot プロンプトボックス をコンテキストメニュー(右クリック等のメニュー)に追加
ユーザーが任意のプロンプトを入力でき、画面の内容と一緒に Copilot に送信可能になります。 - プロンプトの候補(Suggested prompts)が表示される
これらはローカルで動作するモデル “Phi-Silica” によって生成され、英語・スペイン語・フランス語が対象となります。 - 右端からのジェスチャー操作時のビジュアルアニメーションを改善
スワイプがどのような動きをしているか視覚的に分かりやすくなりました。 - コンテキストメニューに「新しく出たアクション」や「人気のアクション」のタグを追加し、使いたい操作が見つけやすくなりました。
- 「Summarize」アクションの出力がより簡潔で要点を押さえたものに調整中です。
スタートメニューの改良
スタートメニューの「Recommended(おすすめ)」セクションに、Copilot を使ったタスク例のプロンプトを表示する試みがなされました。
例えば「Copilotで画像を作成する」など、ユーザーに Copilot の使いどころを提案する形です。
Emoji 16.0 の導入
- 新しい絵文字が Emoji パネルに追加されました。今回は完全な Unicode Emoji16 全体ではなく、 各主要カテゴリーから代表的なものを厳選されたものとなります。
- 例として、「顔のくま」「指紋」「根菜類」「葉のない木」「ハープ」「シャベル」「しぶき」などがあります。
Emoji 16.0とは?
- Emoji(えもじ) は、スマホやPCで使える絵文字の標準規格です。
- 世界共通のルールを作っている団体(Unicode Consortium)が、毎年新しい絵文字のセットを発表しています。
- 「Emoji 16.0」 は、その最新版(2023年9月に承認)で、Unicode 16.0に合わせて追加された絵文字のことです。
どんな絵文字が入っている?
- まだ全部が一気に搭載されるわけではなく、OSやアプリごとに少しずつ対応していきます。
- 例えば顔のクマ・指紋・根菜(大根みたいな野菜)・葉のない木・ハープ・シャベル・水しぶき など、日常でも使える絵文字が増えました。
ナレーターのアクセシビリティ改善
スクリーンリーダーであるナレーターの、特に Word 文書やコメント、脚注、表、リストなどを扱うときの読み上げ・ナビゲーションが改良されました。
- 見出しや文法・スペルミスの読み上げ時の音声の“跳び”が少なくなった。
- 脚注フッターのナビゲーション改善。
- 表やリストの読み上げが途切れにくく、構造の把握性が向上。
そもそもナレーターとは?
- Windowsに標準搭載されている「スクリーンリーダー(読み上げソフト)」 の名前です。
- 画面に表示されているテキストやボタン、メニューなどを音声で読み上げてくれます。
ナレーターはどんなときに使う?
- 視覚に障害のある方や、画面を見るのが難しいときに便利
- WordやWebブラウザ、メールなどの文章を読み上げてくれる
- キーボード操作だけで使えるので、マウスなしでも情報を得られます
ナレーターの主な機能
- テキスト読み上げ:文章・見出し・リンクなどを音声で案内
- 移動案内:タブキーなどで移動した場所を読み上げて、どこにいるか分かる
- 操作支援:ボタンやメニューの説明をしてくれる
ゲーミング・コントローラ操作の改良
- Xbox コントローラの Xboxボタン の短押しで Game Bar を、長押しで Task View を起動できるようになりました。
- ただし長押しでコントローラの電源オフになる動作は現状維持となります。
その他の改善・修正
いくつかのバグ修正と細かい改善が含まれています。
- タスクバーの自動隠し(auto-hide)の動作がより信頼性高く。
- File Explorer の “Shared” セクションが内容なしのとき非表示になるよう改善。
- ロック画面で電源ボタン使用時のクラッシュの修正。
- 検索機能が読み込み中状態のまま固まる事象の軽減。
- Windows Hello や Voice Access などの認証・アクセス支援機能のエラー修正。
既知の問題(注意点)
このビルドにはまだいくつか既知の不具合があります。アップデート前に確認・対応を検討した方が良いです:
- 「Click to Do」の右端スワイプ操作時、プライマリディスプレイから起動したときに視覚要素が誤った画面に表示されることがある。
- ロック画面でメディアコントロールが表示されないことがある。
- 外部ウェブカメラ使用時、Studio Effects を有効にするとプレビューが表示されない機器があり。カメラのファームウェア互換性の問題。
- GPUキャプチャ・PIX on Windows の再生問題。
- 一部デバイスでオーディオが停止、デバイスマネージャーに警告(黄色い!)が出るケースあり。
まとめ
今回の Build 26220.6682 は、Windows 11 の AI/アクセシビリティ・体験を少しずつ着実に向上させるためのアップデートのようです。
Click to Do や Narrator、といった機能の改良は、ユーザーの利便性を高めるのに役立ちます。ただし、既知の不具合も存在するため、特に重要な作業環境ではアップデート前にバックアップを取る・テスト環境で試すなどの準備をおすすめします。
今後はEmoji の拡充、Copilot 機能の地域やハードウェア制限の緩和、既知問題の解消が期待されますね。

技術は一歩ずつ進化しています。今回の更新もその例です。皆さんが安全で快適に新機能を試せるよう、慎重に、でも新しい体験も楽しんでくださいね
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