Office2013をインストールして使用してみたところ「Officeが応答できない状態になっています」というメッセージがやたら出て困りました。調べていくとこれは「クイック実行」という仕様とのこと。結構真剣に悩まされたので、そのあたりの周辺事情をまとめておきます。
1.Office2013の困った現象
Office2013ダウンロード版をインストールして使用していたところ
officeが応答できない状態になっています。
バックグラウンドでダウンロードするファイルが少ないため、この処理はすぐに終了します。
というポップアップメッセージが頻繁に出てきます。
その間カーソルは「処理中マーク」で、office自体も使用できません。また「すぐに終了します」と書いてあるにもかかわらず、なかなか終わらない。最悪の場合はそのまま完全にフリーズしてしまうこともあります。
以下はExcelで関数を入力したときの例。
Excelだけでなく、パワポも同様です。
これは、Office2013がバックグラウンドインストールという手法を取り入れており、初回インストール時は最小限のインストールだけを行い、その後の使用時に、必要となる機能をバックグラウンドで随時ダウンロードしながらインストールしてゆくという手法のようです。
実際、しばらくそのようなメッセージが出たり消えたりするのをやり過ごしていると、現象発生頻度は落ち着いてきます。
ですが、その「機能を使用するときに初めてダウンロードされる」という原則は変わらず存在するので、例えばインストール半年後のある日に緊急のパワポ作業が発生したとして、これまで使用したことのない機能を使用することになった場合、思い通りに作業を進められず歯がゆい思いをすることになるでしょう(その頃にはバックグラウンド更新の存在なんて忘れているだろうし)。ネットが繋がらない場所での作業が要求されたら、歯がゆい思いをするどころか完全アウトということになるでしょう。
こんなことを心配するくらいなら、従来のWindowsインストーラ(msi)等による方法で、フルインストールされる時間をじっと待つほうがマシです。ということで、現在その辺りの事情はどのようになっているのか少し調べてみました。
2.周辺事情を調べてみた
まず、Office2013の購入方法はディスク版とダウンロード版があります。
当初は「こんなバックグラウンドの個別ダウンロード処理が走るのは、ダウンロード版を購入してしまったから?」などと思ったりしてましたが、そうではないようです。
基本、ディスク版もダウンロード版も「クイック実行」という点は同じらしいです。
「クイック実行」というのは、バックグラウンドで個別ダウンロード&インストール処理が走る仕組みのことをMicrosoftがそのように命名しているようです。Office2013から大きく変わった機能の一つらしいです。クイック実行は本当は「Click-to-Run」というのが本来の名称ですが、日本のマイクロソフトサポートページ等では「クイック実行」と呼ばれています。
購入時は気づきませんでしたが、きちんとOffice2013ではクイック実行を採用している旨を明記してあります。
Office インストール | Microsoft Office
クイック実行の導入により、サービスパックなどのパッチを適用する必要がなくなるようです。
Office 2013 のクイック実行バージョンでは、Microsoft Update (以下、MU) や Windows Server Update Services (以下、WSUS) による個別の更新プログラムの適用は行えず、Microsoft クイック実行ソース (コンテンツ配信ネットワーク (CDN)) から更新プログラムを取得します。既定で自動更新が有効であり、クイック実行バージョンでは最初から最新状態となります。そのため、製品をインストールした直後に、更新プログラムやService Pack をダウンロードして適用する必要はありません。
上記も含めたメリットがは以下のようにまとめられていました。
クイック実行バージョンの Office 製品を使用するメリットのいくつかを以下に示します。
- ダウンロードとインストールを高速に実行できます。インストールの完了前に製品の使用を開始できます。
- 最初から最新の状態であり、自動的に最新の状態に維持されます。更新プログラムを手動でダウンロードおよびインストールする必要はありません。
- 異なるバージョンの Office 製品を同じコンピューター上で並行して実行できます。
なるほど、クイック実行がどんなものかということや、Microsoftが注力して変更を加えた仕組みだということもわかりました。今後もこの仕組みと付き合っていく必要は確実にありそうです。
では、私のように困ったユーザ側のとるべき対策はあるのでしょうか?
3.解決策
以下のような記述を見つけました。
Office 2013 では、インストール方式の異なる次の 2 つのバージョンが用意されています。
- Windows インストーラー ベース (MSI)
- クイック実行
「Windows インストーラー ベース (MSI)」。
正に欲しかった文言が目に飛び込んできたわけですが、読み進めていくと…
この資料は以下の製品について記述したものです。
- Microsoft Office Professional Plus 2013
- Microsoft Office Standard 2013
Office 2013 用 (MSI) のサポートされているインストール方法
どうやらMSIインストールが可能なのは、企業向けのボリュームライセンス版の Office Professional Plus、Office Standard 2013、Office 365 などの製品の場合だけとなっているようです。
個人用で一般的に購入されるOffice Home and Businessあたりは対象外でした。
よって、解決策はありません。
「ネット環境が遅い人は、早い環境に切り替える」くらいでしょうか。
最後に、下記の環境での検証でした。
- mac + ゲストOSとしてWindows8(ゲストOSにOffice2013インストール)
- Office2013はダウンロード版「MicrosoftOffice Home and Bussiness 2013」
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