正解などないと思うが、現時点で感じていることを列挙してみる。
ただし、少し特殊な環境なため自分以外の参考になるかどうかは不明。ちなみにここでは情報リテラシーが比較的低めの会社組織を前提に書いている。
1.部署横断能力
まずはこれが一番大事。多少技術のことがわからなくても、話術と人当たりのよさで各部署に顔を売ること。部署間調整をする機会は割と多いため、肩書きに関わらず顔を売っておくといろいろなことが非常に有利に働く。ただし各部署の社員との約束は必ず守ること。多少レスポンスが遅くなった場合は「あなたのことは決して忘れてたわけではありません。ですが対応が遅くなって申し訳ないです」という気持ちをきちんと表現すること。
そして、各部署の業務を「知ろうとする努力をする」こと。これにより改善点が見えてきて、近い将来大きな企画力につながる。
2.業務フローを知り、問題点を洗い出す力
部署によっては情報リテラシーが低いまま、古いやり方で業務を行っている部分もまだまだあるはず。そのようなとき、情報システムを知る社内SEがきちんと業務を分析してやり、問題点を洗い出してやる義務がある。その部署の社員は情報システムの導入によりどのようなことが可能になるかを想像できないため、問題点に気づくことすらできない。
3.ある程度の技術トレンド知識
社内情シス部門の規模にもよるかもしれないが、おそらく大規模システムは情シスで作るのではなく、パッケージ品をベンダーから導入することが多いだろう。当たり前だが、ある程度のトレンドを知っておかないとベンダーとの会話ができないし、システム導入計画も立てられない。ITニュースは日頃からチェックして、今のトレンドと自社の状況を照らし合わせておくべきである。
4.プログラミング力
最低限のプログラミングはできるべきである。各部署には必ず「こんなツールがあれば効率化できるのに」と思いつつも自分では組めないし、外注するほど困っているわけでもない、という人(部署)がいる。そのような人(部署)にツールを作ってやる。これを繰り返していると、社内で密かに重要な地位を手にいれることができるだろう。
また、外注したシステムのDBに接続して、蓄積データを利用した分析システムなどを独自に作ったらカッコいいだろう。(←実際一番おいしいところである)
5.社員を教育する力
自分だけたくさん勉強して情報リテラシーを高めていても、自分以外の社員の情報リテラシーが低いと意味がない。きっと実現したいことは伝わらない。
(追記) 新しい技術にこだわらないこと。社内情シスがこだわるところはそこではない。
小規模~中規模のシステムを前提とした話となるが、開発業務のときにはどうしても日頃得ている情報の影響を受けて「新しい技術を使って何か作りたい」「覚えたての言語を使って何か作りたい」という欲望が芽生えがちである。
そして、自己満足と気付きながらも、覚えたての新しい言語や新しいデータベースを使ったりして、低速開発をしてしまいがちである。
実際にこのような場は、いろいろ試して自分の持ちネタを増やす絶好のチャンスと言えるが、そこはできるだけ自分の欲望を抑えて「どの開発手段が適しているか」を最優先すべきである。言語は枯れた言語でよい、データベースは枯れたデータベースでよい。(「枯れた」は使い古されてバグも出尽くしたという意味で)
その技術が新しかろうが古かろうが、現場のユーザが期待するのは使い勝手のみである。バックグラウンドでどんな新しい技術が使われているかなんて、開発側の人間しか気にしない。加えて、社内で開発できる程度の業務システムに、新しい技術が必要になるわけがない。
もちろんその「新しい技術」を使用することによる自分のスキルアップが、会社の将来に影響しそうと感じたのなら「新しい技術」を採用してもよいと思う。
だが、社内情シスがこだわるべきところはそこではない、ということだけは肝に銘じておくべきである。
と最近よく感じるのだが、これを追記したら文脈が変わってしまった感が否めない。
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