【ついに提供開始】WindowsMLでだれでもローカルAI開発が可能に?

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Windows 11がAI対応をさらに強化しました。

Microsoftは「Windows ML」を正式に提供開始し、開発者がクラウドに頼らずにWindowsデバイス上で直接AIを実行できる仕組みを整えました。CPU・GPU・NPUを横断したハードウェア最適化やONNX Runtimeとの親和性により、リアルタイムで安全・効率的なAI体験を提供できるようになります。

この記事では、Windows MLの仕組みやメリット、開発者がどのように活用できるかをわかりやすく解説します。

Windows MLは、これまで複雑だったAIのローカル実行を一気に身近にする仕組みです。開発の柔軟性も格段に上がりますよ。

へえ、クラウドじゃなくてパソコンでAIが動くの?どんな仕組みでそんなことができるのかな?

Windows MLとは何か?

Windows MLはWindows 11に標準搭載されたAI推論ランタイムです。

ONNX形式のモデルをそのまま使えるため、既存のAIモデルを簡単に移植できます。クラウドに頼らず、ユーザーのPC上で直接AI処理を行うため、レスポンスが早くプライバシー面でも安心です。

Windows ML自体は「生成AIチャットツール」みたいなものではなく、「AIモデルをアプリに組み込むための仕組み」なので、やや開発者よりのツールとなります。

そもそもONNXとは?

ONNX(Open Neural Network Exchange)は異なるフレームワーク間でモデルをやり取りできるオープンフォーマットです。PyTorchなどで作ったモデルをONNXに変換し、Windows MLで動かせます。

AI推論ランタイムとは?

AIには大きく分けて「学習」と「推論」という2つの段階があります。

  • 学習(トレーニング):大量のデータを使ってモデルにパターンを覚えさせる段階
  • 推論(インフェレンス):学習済みモデルに入力データを与え、結果を予測・判定させる段階

多くの場合、学習はクラウドや高性能サーバーで行われますが、推論はユーザーのPCやスマホなど手元のデバイスでも可能です。

AI推論ランタイムとは、この「推論」を行うための実行環境(エンジン)のことです。
モデルに入力を渡し、適切なハードウェア(CPU・GPU・NPUなど)で計算して、結果を返してくれる“裏方”のソフトです。

開発者にとってのメリット

Windows MLは、CPU・GPU・NPUのどれを使うか自動判定し、最適な実行環境を整えてくれます。これによりアプリのサイズを減らし、複雑な依存関係管理から解放されます。

  • 複数ハードウェアへの簡易対応
  • アプリサイズの削減(数十MB〜数百MB減少)
  • 実行環境の自動最適化
  • プライバシー確保とリアルタイム処理

ハードウェアパートナーとの連携

AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommなど各社が独自のExecution Provider(EP)を提供し、Windows MLがそれを配布・管理します。

これにより、最新のCPU・GPU・NPUの性能を最大限に引き出せます。

AMDの場合

Ryzen AIプラットフォーム全体でWindows MLを統合し、NPU・GPU・CPUを横断した高性能AI実行が可能になります。

Intelの場合

OpenVINOとWindows MLを組み合わせ、CPU・GPU・NPUを柔軟に選択してAI負荷を最適化します。

使い方の大まかな流れ

Windows MLを使う流れは、ざっくり言うと「モデルを用意 → Windows ML対応に最適化 → 実行する」の3ステップです。
難しそうに見えますが、順番にやれば大丈夫です。

  1. モデルを準備する
    まずはAIモデル(ONNX形式)を用意します。
    例:PyTorchやTensorFlowで学習したモデルをONNXに変換しておくと、そのまま使えます。
  2. 開発環境で最適化する
    Visual Studio Codeの「AI Toolkit for Visual Studio Code」などを使い、モデルをWindows ML向けに最適化します。(最適化するとモデルサイズが減り、実行が速くなります。)
  3. アプリに組み込む
    アプリにWindows MLの呼び出しコードを書き、最適化済みモデルを読み込ませます。Windows MLが自動的にCPU・GPU・NPUのどれを使うか決めてくれるので、ハードを意識する必要はありません。
  4. 実行してテストする
    アプリを実行し、AIの動きを確認します。推論がPC上で動くため、リアルタイム処理やオフライン処理でも快適です。

まとめ

Windows MLの正式版提供により、開発者はよりシンプルかつ効率的にローカルAIを展開できます。

ハードウェア最適化、プライバシー確保、低コスト運用といった利点を活かすことで、今後のWindowsアプリはさらに高度でリアルタイムなAI体験を提供できるようになるでしょう。

ローカルAIの時代はすでに始まっています。Windows MLを使えば、その波に誰でも乗れますよ。

参考ソース:
https://blogs.windows.com/windowsdeveloper/2025/09/23/windows-ml-is-generally-available-empowering-developers-to-scale-local-ai-across-windows-devices/

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